前回静岡の茶草場農法についての説明をしました。
茶草場農法がどんなものなのかというのは理解していただけたと思いますが、具体的にすることによってどのような効果が出てくるのかという話になります。
前回の話。
茶草場農法の効果
茶農家さんからみた茶草場農法のメリットについて記述します。
補足動画:
久保ひとみさんは私が子供の頃から静岡で活躍しているローカルタレントさん(当時はアナウンサーだった記憶)です。
1.茶草を入れることによって、茶園の土の保湿力の維持ですとか灌漑(かんがい)の防止。
良いお茶は良い土作りからと奈良月ヶ瀬の茶農家さんに教えていただいた通り、
茶草を入れることによって良い土作りにつながります。
https://twitter.com/ochafarm/status/1088995623863369728
2.雑草の抑制。茶草は有機肥料のため自然の緑肥。
この自然の肥料を土に投入すると、土中のミミズや微生物の繁殖がより活発になり肥沃な土になると言われています。
栄養価の高い土を作ることでそのお茶の栄養にもつながって、健康でおいしいお茶ができると言われています。
また、こういった自然の肥料を使うことで、
化学肥料より有機に近い優しいお茶が作れる、その効果も持続すると言われています。
日本は異常気象による大雨で土壌災害の被害も多くなっていますが、災害に強い、土壌の流出の防止の効果もあると言われています。
これらを総合していいお茶ができるということで、農家さんは伝統的に茶草場農法を続けられてきました。
茶草場農法の生物的な面
茶草場農法の生物多様性について。
茶草場農法をすることで300種類以上の多くの生物が生息している希少な環境を保つことができます。
茶草場農法を続けている茶草場が生物多様性につながっているというソースはこちらから(農研機構)
茶草場農法と在来種数の増加
なんで、茶草場農法を行うことによって在来種の数が増えるのか。
茶草場と言われるのはススキですとかササですとか、1メートルくらいになる大きい草が生えている草地が多いです。
年に1回刈ると太陽の光が地面に届きます。
本来でしたら日の光が届かなくて枯れてしまうような草ですとか、生えない草とかがちゃんと生えるような環境を整える。
結果多様な植物が生えていく、多様な小さい生物、微生物の繁殖を促す、また虫、それを食べる動物と食物連鎖が生まれていく。
結果的に在来種の数が増えている、生物多様性が生まれます。
茶草場に見れる花なんですけれども、今では絶滅危惧種として認定されている秋の花草に代表されるような草ですとか、可憐(かれん)な草花が茶草場では見ることができます。
農業が守る多様な生き物(日本農民新聞連載記事より) http://t.co/ZJzUqSwDED。
静岡県の茶産地では、良質なお茶を生産するために茶草場農法が行われ、絶滅危惧種を含む草原性の植物が多く生育しています。 pic.twitter.com/TCRM3wvrG7— 農研機構 農業環境変動研究センター (@niaes) June 6, 2013
今の季節はちょうどササユリが5月から7月ぐらいで咲いていて、茶草場農法をやっている地域に行くと、こうしたかわいらしい草を見ることができます。
続く