新版茶の品種 公益社団法人 静岡県茶業会議所 発行 を読んで見た感想。

新版茶の品種を読んで見ました。
茶の品種について細かくまとめられているマニアックな本。
農家さん、茶商さん、研究者さん
日本茶インストラクターまで幅広い対象者にとって役に立つ。
煎茶用、紅茶用、釜炒り茶用、玉露、てん茶用、
と用途別に品種がわかるようになっている。
2019年3月時点で119品種登録(2020年はもっと増えているはず)
65品種がこの本に載っています。

新版茶の品種 この本の良いところ

・茶の新芽、花、花の断面部、水色、外観の写真がカラーである。
例えば、紅系の紅茶品種だと花の雌しべ雄しべより高い傾向がある。
や、水色の微妙な違いを見比べることができる。
・来歴があり、父親と母親がどのように交配されてできた品種なのかがわかる。
さらに祖父、祖母まで分かるものもある。
・親が中国種系統なのかアッサム種系統なのかを見分けることによって、
初見でもその品種の特徴をある程度分類することができる。
・香気や地味について詳しく載っている。
日本茶の香気や地味について表現の方法が難しいと個人的に感じていたので、
ここに書いてある香気や地味の特徴を覚えだけでもボキャブラリーの幅が広がります。
例えば、やぶきたについては
以下引用
香気:温和な香気、香味のバランスがよい、香りの持続が長い
地味:スッキリ味
ということで、スタンダートということが理解できます。
対してゆたかみどりという品種
以下引用
香気:薬草のような香り、香りに特徴あり、三つ葉のような香り、スーッと花に抜ける香り
地味:渋み、旨味、甘み強い、苦渋み
ということで具体性が増してくるので頭に入れておくとよりお茶に対しての印象が深くなるのかなと感じました。

新版茶の品種 この本のわかりにくかったところ

・品種の父親、母親でかなりマニアックなものが出てきたときに
どのように解釈して良いのかがわからなかった。
例えば、おくゆたかという品種の
父親は「茶本F1NN8」というものになります。
ただ、茶本F1NN8というのが一体何ものなのかが書いていません。
たまみどりという品種とS6という静岡県在来種の選抜の交配というのは分かるのですが、
この名前が何故ついたのかというのがわかりません。
茶本F1NN8って何ですか?と普通に読んでいると思ってしまうはずです。
茶本F1NN8ってどういう意味でついているのか?これが気になります。
ただ、これは農研機構に質問すると回答が帰ってくるということを知りましたので
何かわからないことがありましたら農研機構に質問してみてください。
今回の茶本F1NN8については質問したことがないのですが、
べにふうきの枕Cd86については農研機構に相談したところ回答が帰ってきました。

新版茶の品種 あったら良いなと思ったこと。

・花だけ、水色だけのページがあったら
やぶきたを基準として他の品種とともに比べることができるなと思いました。
まあ、自分で写真を撮って並べ替えて比較すれば良いのであくまでもナイストゥハブということになりますが。
・各品種の都道府県ごとの栽培比率があったら知りたいなと感じました。
まあ圧倒的にやぶきたが多いんだろうけど、そもそもどこで作られているのかすら
わからない品種も多々あったのでしれたら嬉しいかったです。
例えば、はると34号や摩利支という品種は名前すら聞いたことがなかったので
消費者目線に立ってみると
・保存はいつまでもつのか?
・カフェインはどれくらい入っているのか?
・値段は高いか安いか?
・農薬は使っているか?→対抗品種だったら有利だと思う。
この辺がきになると思います。
品種ごとにカフェインの量が変わるでしょうが
具体的にどれくらい変化するのかはよくわからないので、これは偉い先生に聞いてみる一つの課題としてとっておく事にします。

役に立った内容

サンルージュの先祖はカメリアタリネンシス
茶中間母本農6号というものが母親で父親は不明。
厳密にいうとお茶ではないのか?
要確認なんですけど。
日本茶インストラクターの時の勉強にもなる。
日本茶インストラクターでは出てくる品種は
茶の品質審査と鑑定では8種類だけ
やぶきた
ゆたかみどり
さやまかおり
おくみどり
かなやみどり
さえみどり
あさつゆ
つゆひかり
これら全ては当然のように網羅していますので
学習の補助としても有効活用できます。
茶の健康科学でべにふうきが出てきますが、
緑茶としての効用を覚えればよいだけなので割と簡単です。

2 COMMENTS

あい

私もお茶が好きで毎日緑茶と紅茶を飲んみます。当たり前に口にしているお茶ですがこのような本を読んで、造詣を深めればまた、新たな発見や美味しさの探求ができて、より味わって飲めるなと思いました。

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ひろたか

コメントありがとうございます。 この本は専門家向けですが、一般の人がお店で買うときにも十分に使える内容になっています。
日本茶にもワインのようにたくさんの種類があるということを知ってもらえたら嬉しいです。

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