お茶は妙薬 上手な飲み方、利用法 林栄一著を読んだ感想になります。
昭和57年発行とかなり古い本なのですが、
現在でも十分に使える内容になっています。
著者の林栄一先生をたたえて
静岡県では林栄一賞というものがあります。
静岡県内の大学、企業が参加する静岡実験動物研究会において、若手研究者による発表の中で最も優秀な演題に贈られます。

お茶は妙薬 上手な飲み方、利用法この本の良いところ

・妙薬というタイトルがあるが、歴史についても深く掘り下げて現代医療と紐付けている
いきなり神農と栄西について
また神農は占いについての神様だったことから、五行(木火土金水)とお茶についての関連性についても
記載れている。これは大妻女子大学の大森先生も同じことをコラムで書かれていた。
五行では心臓は苦味が必要としている。よってお茶を飲むことによってこれを補えるということである。
飲食物の中でも特に苦渋みを持ちながら、気軽に飲用できるものはお茶が適切ということ。
 
・茶と医学についての歴史についての内容が載っており興味深い
最も早くお茶と医学についての研究をしたのは当時日本医師会長の武見太郎先生とのこと。
研究でまずわかったことは余剰アルカリを増やすこと、ビタミンCの破壊を防ぐ作用があること。というのが
・海外のお茶の研究事例を知れる
昭和後半は日本人よりも外国人の方がお茶についての研究は活発だったようである。
ただし海外は紅茶が主流なので紅茶を用いた研究が多かったよう。
当時カテキンという用語はあったが、タンニンという形で一括りとされていたようである。
・お茶の薬効効果についてかなり詳しく書かれている
具体的には、止血、、眼病、虫歯、口臭、うがい、かぜ、冷え性、つわり、オムツかぶれ。
よくここまで書いているなというくらい細かい。
・カフェインとテアニンの実験が既にこの時代からされてた
テアニンにカフェインを抑制する効果があるというのはマウスを使った実験ですでに実証済みだった。
内容を引用させていただきますと
カフェインを体重キログラムあたり270mg注射した場合マウスは10匹中10匹とも死亡した。しかしテアニンをあらかじめ注射しておくとテアニンの量が多くなるほどマウスの死亡数が少なくなり、テアニンがカフェインによる興奮死を防ぐことがわかる。
ということでお茶はやっぱ最強の飲み物じゃない?
と感じるところはありました。
逆にいうとコーヒー飲み過ぎてもテアニンを取得すればなんとかなるというところでもあるようです。
・放射能物質とお茶の機能性についての内容が興味深かった
1954年に発生したビキニ環礁での被曝事故による放射能汚染の際にお茶が放射能のストロンチウム90の吸収防止作用があるということを研究されていたということです。
それから57年後、福島原発事故での放射能汚染も問題になりました。
私が日本茶インストラクターの先生に聞いた話ですと、
お茶の利尿効果による代謝を高めることによって体内に溜まった放射能物質を排出することができるということを教えてもらいました。実際に研究しているお医者さんがいらっしゃるということで、この本ですでに50年以上前から放射能とお茶の関係を研究されていたということで内容がリンクしました。

お茶は妙薬 上手な飲み方、利用法 この本のわかりにくかったところ

・かなり専門的な内容が多かったため、お茶初学者には読みにくい内容かと感じた。
・現代の内容と若干違うところもあったので差分が理解できないとどちらが正しいか
わからない部分もあると感じました。
とはいうものの、この本は定期的に読みたくなる本の一冊です。
内容としてはお医者さんレベルの内容になりますが、日本茶インストラクターとしてはこのくらいのことは知っておいて損はないと感じます。
お茶がアルカリ性成分を持つ食品ということは私も知りませんでした。
酸性土壌で育つのに口に入れるときはアルカリ性というのはなんとも興味深い内容だったと感じます。