要旨
緑茶の摂取と2型糖尿病および心血管疾患のリスクの減少との間には用量依存的関係がある。
EGCGを含む緑茶中の生理活性化合物は 、グルコース代謝および血管機能に対してインスリン様作用を示す。
本研究の目的は、 Sprague-Dawleyラットの骨格筋におけるEGCGの急性血管作用と代謝作用を調査することである。
外科的に隔離した定流潅流ラット後肢を用いてEGCGの直接血管作用および代謝作用を調べた。
EGCGは、5-ヒドロキシトリプタミン前収縮後肢において用量依存性血管拡張を誘導した。
この応答は、PI3K阻害剤であるワートマニンまたはAMPキナーゼ阻害剤化合物C.によって阻害されなかった。
NOS阻害剤NG-Nitro-L-アルギニンメチルエステル(L-NAME)は EGCGによる血管拡張を阻害した。
10 μMEGCGは筋肉グルコースの取り込みを変えなかった。
in vivoにおける10 μMEGCGの急性代謝作用と血管作用について高インスリン正常血糖クランプ中に、麻酔をかけたラットを用いて試験した。
EGCGとインスリンはどちらも相加効果なしに筋肉の微小血管の血流の同程度の増加を刺激した。
EGCGを介した微小血管作用は、グルコース取り込みを変化させずに起こった。
EGCGは骨格筋においてNOS依存性血管拡張作用を有するが、健康なラットにおいて筋グルコースの取り込みを変化させることもインスリンの血管作用、代謝作用を増強することもない。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0955286316300912