食養生や薬膳という言葉に興味がある人は多いと思います。
実際に30後半から40代にかけて体の不調に悩まされる人というのは増えていきます。
そんな中、食養生や薬膳を勉強したいけど何がどのように違うのかわからない!という人も多いのではないかと感じます。
今回は食養生や薬膳の違いや勉強法について記述していきます。
薬膳とは?
薬膳について色々と言葉を聞くとは思います。
下記に狭義と広義の意味について記述します。
狭義的な薬膳の概念
生薬と食材を組み合わせた食膳の事。
食物を主材料とし、生薬は補助的な役割をする
薬膳茶で考えると 緑茶や紅茶、烏龍茶をベースにして 色々なブレンドをしていくということになります。
広義的な薬膳の概念
中医学の『薬食同源』の考えに基づき、季節や体質に合わせて、
未病を治すことを目的とする養生料理。
岩間眞智子先生の言われている「茶薬同源」もこちらの薬膳にあたります。薬膳茶の理論もこれですね。
陸羽の茶経や栄西の喫茶養生記も茶薬同源のことが記述されていますので、広義的な薬膳の概念に当てはまると思います。
薬膳の基礎土台は?
中医基礎と中医診断(これが基礎の土台)があってその上に、生薬を選んでお薬を選ぶのが漢方薬。
食べ物を選んでどんな調理法で、どんな料理を作るというのが薬膳。
その人の体に合わせてどの経絡を使ってどんなどんなツボを使って治療するかが鍼灸。
※経絡とは経穴(けいけつ)(つぼ)の機能的な連絡系をいいます。
経絡を使ってマッサージのような整体的なもので治していくのが推拿。
生薬的にオイルを選んでどの経絡を使ってトリートメントをしていくのかというのが中医アロマ 。
食べ物を使って体を整えるのが薬膳です。
食材の効果効能を知っていたところでも、中医基礎理論や中医診断学が分かっていないとうまく使いこなせないということになります。
なので、食養生薬膳の知識だけでは超えられない壁というものが実際存在します。
スーパーに行ったときになぜこの食材を選ぶのか理論的なところを知っているとすごく楽しめるというのはあります。
それぞれの食事療法に色々なメリットがありますが、薬膳は基本一人一人の食事に合わせたオーダーメイドです。
薬膳料理はおかしい
ちまたでは薬膳料理という言葉が使われますが、そもそも薬膳の「膳」が料理という言葉になっています。
つまり料理料理という意味になります。
だから、薬膳料理教室と名乗っているところはちょっとプロとしてヤバいかもしれません。
※ お茶でいうところのチャイティーというのも茶茶という意味になります。
チャイもティーも両方とも茶という意味です。(陸路で広まったのか海路で広まったのかの違い)
薬膳と食養生って何が違うの?
よく養生という言葉がでてきます。
養生とはそもそも今の状態がそんなに悪くないときにそこを守りたいときに使う言葉です。
つまり食養生も今の健康状態を維持したいときにつかったり、美肌やアンチエイジングなどにつかいます。
食養(食補 食養生)とは?
食養生のこと。食での健康維持、美肌、アンチエイジング、体の強化を目的とする。
喫茶養生記にでてくる「茶は養生の仙薬」という言葉ですが、まさに茶で体の強化をするということを目的にした本なのです。
食療 しょくりょう(食治)とは?
食材の性質や効能をよく知り、身体の状態に合わせ、食材を使い分ける。
薬膳とは?
食療で治らない場合、体をしっかり弁証し、生薬を使用して、施膳(しぜん)する事。
※生薬でも日常使われている物もあります。(例:生姜(しょうきょう) 蘇葉(そよう))
ちなみに 茶葉 ちゃば=チャヨウ(笑)も生薬です。詳しくは漢方薬の川芎茶調散で説明します。
※弁証 体をしっかり見て自分の証というものを把握すること。弁証論治は漢方薬で使い、弁証施膳は薬膳の時に使います。
食養生薬膳の勉強法は?
個人的に感じている食養生薬膳の勉強の仕方について記述していきます。
中医基礎も勉強する
前述した通り薬膳を学ぶためには中医学の基礎理論を知っておく必要があります(+αで中医診断学も必要ですが、これはかなり難しい)
中医学の基礎理論と基礎用語を理解したうえで食養生薬膳を学ぶことでより一層理解が深まることは間違いありません。
春夏秋冬に合った勉強をする
例えば今が春なのに、秋の食養生を勉強しても季節に合っていません。
春には春の養生方法がありますので、春の養生を勉強して実践してみます。
実際に薬膳茶や料理を作ってみる
実際に薬膳茶だったり料理を作ってみるというのはかなり勉強になります。
食養生薬膳の外食をしてみる
薬膳料理を出してくれるお店は年々増えている感じがします。
特に都内に行くと沢山の薬膳料理が食べれますので、勉強がてらに行ってみるのもよいかもしれません。
薬膳・食養生の歴史
続いて薬膳食養生の歴史について記述していきます。
約3000年前、周の時代医療は『食医』『疾医 しつい(内科医)』『瘍医 ようい(外科医)』
『獣医』の4つの分野に分かれていた中でも『食医』は最高位の医師とされていた。
食医とは病気になる前「未病」の段階で食物によって病気を防ぐ超重要な存在だったのです。
皇帝のお医者さんだったので、常に食医がそばにいて体の変化に合わせてちょっとずつ調整を行っていたそうです。
病気になる前に体を整えることで、病気を発生させないお医者さんだったのです。
ちなみに食養生では治せないような 骨折だったり、内科、外科的な治療をするさいにこれらの医者を選ぶのも食医だったそうです。
逆に体調悪くしようということもできる。というのが食医ですが、それをしないくらい信頼できる人が食医になっていました。
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