ハイライト
•ラクトースにより糖化された乳タンパク質BLGの緑茶カテキンへの結合を調べた。
•BLGのグリケーションはポリフェノール結合定数に影響を及ぼさない。
•ポリフェノール結合は、天然タンパク質とは反対に、糖化BLGを安定化させることができなかった。
•ポリフェノールの結合は、BLGとglycoBLGの両方の抗酸化能力をマスキングする。
•マスキング効果は、両方の形態のBLGについて同程度であった。
要旨
主な緑茶カテキン、エピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)は、牛乳のβ-ラクトグロブリンを含む多数の食事タンパク質に非共有結合的に結合する。
ポリフェノールの結合能と形成された複合体の抗ラジカル特性に対する、メイラード反応によるタンパク質の糖化の効果は研究されていない。
乳糖ラクトースにより糖化されたBLGのEGCGへの結合定数を、フルオロフォアクエンチングの方法により測定した。
EGCGの結合をCDとFTIRによって確認した。
錯体の抗酸化特性は、ABTSラジカル捕捉能とスーパーオキシドアニオン捕捉能の測定、総還元力アッセイによって調べた。
BLGの糖化は、タンパク質に対するEGCGの結合定数に影響を及ぼさない。
EGCGとの複合体化の際に、天然と糖化BLGの両方について立体構造変化が観察された。
タンパク質の抗酸化能力に対するポリフェノール錯体形成のマスキング効果は、天然と糖化BLGの両方について同程度であった。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0308814617306416