緑茶ポリフェノールは成体マウスに抗鬱剤様作用を生じる

要旨
最近の研究では、
緑茶の摂取量が増えると、
高齢者の抑うつ症状の発生率が低下することが示されている。
しかしながら、うつ病の前臨床モデルにおいて
緑茶の抗うつ剤様効果を調べた研究はない。
本研究の目的は、広く使用されている
うつ病のマウスモデルにおいて、
抗うつ薬様作用および緑茶の作用機序を調査することであった。
マウス に7日間緑茶ポリフェノール(GTP)を経口投与し、
最後のGTP投与の60分後に
強制水泳試験(FST)および尾懸垂試験(TST)で評価した。
血清コルチコステロンおよび
副腎皮質刺激ホルモン (ACTH)レベルもFST直後に測定した。
緑茶ポリフェノールは、
FSTおよびTSTの両方において不動性を有意に減少させたが、
オープンフィールド試験において自発運動活性を変化させなかった。
このことはGTPが抗うつ様作用を有することを示唆している。
緑茶ポリフェノールはまた、
FSTにばく露されたマウスの血清コルチコステロンとACTHレベルを減少させた。
本研究は、GTPがうつ病のマウス行動モデルにおいて
抗うつ剤様効果を発揮することを実証し、
そのメカニズムは視床下部 – 下垂体 – 副腎系の抑制を含む可能性がある。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1043661811002611