緑茶におけるグリコシド結合前駆体から誘導されたダマセノンの形成

要旨
ダマセノンは、強力な風味でよく知られている。
ダマセノンのいくつかのグリコシド結合前駆体は
いくつかの植物から単離されているが、
緑茶におけるそれらの存在はほとんど知られていない。
ダマセノンの三つの主要なグリコシド前駆体、
9-O-β-D-グルコピラノシル-メガスティグマ-6,7-ジエン3,5,9トリオール(1a)、
9-O-β-D-グルコピラノシル-3-ヒドロキシ-7,8-ジデヒドロ-β-イオノール(2a)、
3-O-β-d-グルコピラノシル-3-ヒドロキシ-7,8-ジデヒドロ-β-イオノール(2b)
を単離し、緑茶液中で同定し、3つのグリコシド前駆体の
アグリコン部分のC-3およびC-9位の立体化学を決定した。
化合物1a、2a、2b、
3-O-β-d-グルコピラノシル-メガスティグマ-6,7-ジエン-3,5,9-トリオール(1b)を
加水分解して強酸性のモデル系でダマセノンを形成した。
2aと2bの加水分解とは対照的に、
1aと1bからより多くのダマセノンが変換された。
C-3位のβ-d-グルコシル部分は、
C-9位に糖残基を有する化合物1aよりも
メガチグマ-6,7-ジエン-3,5,9-トリオールから3-ヒドロキシ-7,8-ジデヒドロ-β-イオノールへの
脱水速度が速かった。
ダマセノンの4つのグリコシド前駆体は
弱酸性条件下で加水分解されてダマセノンに変換されなかったが、
緑茶を加えるとダマセノンに変換することができた。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0308814610005509