要旨
茶カテキンは、製造および醸造プロセスの過程で
酸化やエピマー化などの多くの化学変化を起こす。
緑茶の製造では、焼き立てまたは蒸しにより
茶葉中の酵素活性を不活性化することによって酸化は制限される。
結果として、カテキンのエピマー化は、
緑茶の製造において最も重要な反応の1つであると考えられている。
精製水と水道水を異なる温度で使用した
緑茶のカテキンのエピマー化について
HPLCにより研究し、本稿で報告する。
個々のカテキンは高温でエピマー化する可能性がある。
しかし、緑茶を醸造するときの主な変化は
エピ構造から非エピ構造へのエピマー化であるように見える。
このエピマー化は精製水よりも水道水中で起こりやすかった。
水道水と純水との間のpHの差と共に
水道水中に存在するイオンの複雑さが、
この観察に影響を及ぼす主な要因であると考えられている。
水道水で醸造されたお茶では、
カテキンは容易にエピマー化され、
その後急速に分解される。
エタノールと精製水の混合物を用いて
茶葉と溶媒の比率1:5(w / v)で調製した緑茶の
カテキンの安定性試験は、エピマー化が40℃で観察できた。
そのため、温度だけでなく加熱時間も
緑茶のカテキンのエピマー化に影響すると考えられる。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0308814600000996