緑茶の摂取と膵臓癌のリスク:上海の都市部における大規模な集団ベースの症例対照研究

要旨
背景:膵臓癌の病因についてはほとんど知られていない。
お茶の摂取量と膵臓癌のリスクに関する疫学的研究は決定的ではない。
本研究の目的は、中国の上海の都市部における
緑茶の飲用と膵臓癌のリスクとの関連性を調査することである。
方法:上海の都市部で行われた症例対照研究では、
908例の膵臓癌患者と1067例の健康な対照が採用された。
お茶の種類、お茶の消費量、お茶の温度、
定期的なお茶の飲用時間など、
お茶の摂取に関する情報は、
面接調査票を介して収集された。
結果:膵臓がんのリスクがあるお茶の摂取習慣を調べた。
女性では、定期的にお茶を飲まなかった人と比較して、
定期的に緑茶を飲むことで膵臓がんリスクが32%減少した
(OR 0.68、95%CI 0.48〜0.96)。
お茶の消費量と摂取期間の増加は、
どちらも女性の膵臓がんリスクの低下と関連していた。
通常のお茶を飲む人の間では、お茶の飲酒の量や期間に関係なく、男女ともにお茶の温度が低いことが膵臓がんのリスクの低下と関連していた。
結論:通常の摂取量、習慣の持続、適切なお茶の温度で、
緑茶を飲む習慣は、膵臓癌のリスクを下げる可能性がある。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1877782112001130