お茶の栽培についての講義のまとめ続きです。
参考記事はこちらからも
茶の栽培条件と地理的条件
茶の栽培条件ですけど、茶は亜熱帯性植物で温帯の中の暖かいところで育ちます。
日本も温帯だから、三重県とか愛知県でもお茶はあります。
日本中でお茶があるわけじゃなくて、茨城県と新潟県を線で結んで、そこから南でお茶の畑はあります。
平均気温が寒すぎて育たないということですね。
だから福島から北は、いわゆるお茶の生産農家というのはないということですね。
※補足:厳密に言うと経済的北限が新潟県村上市から茨城県大子町です。
製茶の北限が秋田県能登市 岩手県陸前高田市。先生よりここでお茶買えたらラッキーとの事。
栽培の北限が青森県黒石市。樹木としての北限が北海道小平町となります。
補足:大子町のお茶の里公園
茶園の適地は平坦や標高の高い山間地、というか今では十分私らのところは平坦地で作ってます。
山間地の茶の特徴ですね。
日本では年平均気温が14℃~16℃。
先ほども言いましたが、こんだけないんですよね。
14℃もないんですよね。東北・北海道は。
降水量が年間1300mm以上が栽培適地ということで、例えば香川県とかは、温度はあるんですが雨が少ないもので、割と香川県みたいなところはお茶は少ないですね。
補足:お茶どころが少ない香川ですが高瀬茶が有名です。
小豆島ではオリーブ茶というものを栽培しているようです。
管理人はまだ飲んだことありませんが、これは興味があります。
生育する4月~10月に900mm必要ということで、(必要)条件というのはこういう条件ということです。
やはりお茶は根のものですので、そこそこ透水性がよくないとダメですので、あまり湿地では育ちません。
ですから通気性や保水性があって、これ逆のような気もしますが、保水性があって透水性がないと、なかなかお茶っていうのは非常に育ちにくい。
水も通すが、ある程度保水もなきゃいけない。
だからお茶の栽培適地というのは、結構限られてくるんです。
お茶の品種と品種特性
ですけど、お米もしかり、お茶にもいろんな品種があります。
お茶の品種の7割くらいは「やぶきた」っていう品種です。
補足:実はお茶って結構たくさんの品種があります。
煎茶用の品種だと、香味のいい品種を使いたいとか、玉露・碾茶用だったら、玉露や碾茶は「遮光」と言って、日光が当たらないような栽培をします。
お茶の早晩生について
そういう日光が当たらなくても育つような品種を選ぶというか、そういう意味で書いてあるんです。
品種の特性として2つあります。
要は早い遅いです。
品種によって、今言った「やぶきた」が日本のほぼ半数以上なんですけど、そのやぶきたを中心として、それより早いのを早生品種、遅いのを晩生品種と言います。
一番茶の収穫適期で判定。
それが早晩性です。早い品種。
遅い品種は「おくみどり」とか、早い品種では、またいろいろあるんです。
補足:種子島でもお茶栽培されるんですね!
茶の樹姿
「樹姿」、これはお茶の木の形です。
茶の耐寒性
茶は亜熱帯性。
どちらかというと暖かい、暑いところがあれなので、あまり寒いところでは育たない。
茶の耐病性
茶樹は病害虫発生の防除が難しいのと、発生予測の困難。
収量とか品種、品種差も、もちろん重要ですけど。
「茶の繁殖法、種子法」、私らのおじいさんの頃は種をまいたわけですけれども、それが種子法なんです。
補足:種子法いまもめているようです。
今はもうそんなことはやってなくて、普通、「挿し木法」って言いまして、一番茶の芽を摘み取らずに、伸ばしたままの状態にしたやつで、挿し木、要するに木を取るんです。
補足;これが挿し木
6月ごろは雨も多いということで、6月ごろに挿し木をします。
種子繁殖は最近はほとんどない。
その挿し木から、今度お茶を畑へ行って植えるわけですけど、
「栽植法のポイントとして、畝幅は一般に1.8m、株間(30cm~45cm)、一般には1aあたり1500~(2000)」と書いてあります。
これは何を言っているかと言いますと、
これは千鳥に、よく、酔っ払って千鳥足になる、こういう感じに植えてあるので、今機械で刈ることがほとんどです。
昔は真ん中にこうだったんですけど、機械がこういう感じで円弧になったような歯があります。
片方が緩いとちょっと刈りにくいので、最近こういう2つに植えるのが多いんです。
こういう感じでジグザグに植えてあるんです。
畝間(樹と樹の間)というのは、本来ここは一本。
昔植えていたんですけど、こっからここまでの間、これが畝間1.8mです。
株間というのが隙間こと。
この間隔ですよね。これが30~45cm。
一反は1000m2ですので、だいたい1.8m間隔だと550mぐらいあります。
550mのところに、1mに30cm間隔だと3.3本植わりますので、ざっと計算すると1800本ぐらいにはなるわけです。
補足:550×3.3=1815本
先ほど言いましたが、1年目がこれで、2年目がこれぐらい大きくなって、
一年経つとここはちょん切るんですけど、ちょん切ってもまた6月ぐらいにはこうなる。
これが3年目、4年目、5年目でおおかた完成する。
今7年~10年てありましたけど、上手く栽培すれば5年ぐらいで収穫できる。
お茶と被覆について
「被覆園の管理」ということで、「被覆」っていうのは、こういうことになります。
本来この下に新芽があるんですけど、一番茶を摘み取る二週間ぐらい前とか、二番茶を摘み取る一週間~10日ぐらい前に、こういう黒いものを被せます。
芽の上に被っているわけです。
摘み取る時にこれをめくってすぐ刈ります。
これは「かぶせ茶」と言って、お茶の芽に直接かぶせるから、かぶせ茶なんです。
ここにある玉露っていうのは、人が手が届くぐらいのところに穴を作って開け閉めする。
だから玉露とか言うのは、棚と(茶園)の間に空間がある。
補足:かぶせ茶は黒いネットを被せますが、玉露は上の方にネットをして日光を遮ります。
かぶせは3週間ぐらいかけます。
空間があるので。
そうやって日光混ざらないようにすると、茶の木がどうなるか。
本来は光合成をするわけですけど、光合成ができないので逆に頑張るっていうか、葉緑素が増えます。
補足:植物の葉緑体の中に含まれる緑色の色素。化学構造はマグネシウムをもつポルフィリンで、構造の一部が異なる4種がある。赤および青紫色の波長の光線を吸収して光合成に重要な役割をする。クロロフィル。
被覆すると。
それから葉面積の拡大。
日が当たらないので。
被覆時期は玉露の場合ですが、(新葉)が一年経過したことで、こういう感じで(2週間ぐらいかけるんです)
先ほどの直接かけるかぶせ茶、玉露に近い茶を作る目的で、新葉は二葉程度って書いてありますが、摘み取るのが仮に5月10日と自分で設定したら、その2週間前にかけるということです。
煎茶の品質向上とは
煎茶の品質向上を狙う目的っていうのは、煎茶っていうのは、全くかけないお茶を煎茶といいます。
今、茶業情勢も厳しいもので、煎茶だと、そのままだと何となく色が黄色っぽくなるもので、一週間くらいかける。
そうすると、ちょっと色がよくなる煎茶になるということで、そういう意味です。
これは。煎茶の品質向上を狙うっていうのは、煎茶を色よくするために、一番茶だと7日とか二番茶だと4日ぐらいかけるということです。
補足:土山茶は美味しいかぶせ茶の産地!
なぜ被せるかっていうことなんですけど、光合成ができないとその分頑張って葉緑素が増えるってこと。
テアニンっていう成分が、根からずっと上向いて上がってきます。
最後新芽のところまで来た時に、日光に当たると旨味成分テアニンが、苦い・渋いのカテキンという成分に変化します。
それを覆ってやると、テアニンがカテキンに変化しないので、味がまろやかになります。
苦い・渋いっていうのはなくなります。
補足:テアニンは色々と凄い!!
ですので、葉緑素が増えて色がよくなるということと、テアニンがカテキンに変化することを抑えるもので、味がまろやかになるということ。その2つの目的で被せる。
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